ロードバイクで速く走るためには体やバイクが受ける空気抵抗を減らす必要があります。
そのためには
1.空気抵抗の少ない機材を使う
2.空気抵抗の少ない体勢(ポジション)で乗る

大きく分けてこの2つの方法があります。
1の機材のほうは翼断面形のハンドルやフレームなどですね。
2は、乗車体勢をより前屈み&両腕の間隔を狭めて前面投影面積を減らします。
厳密には背中の丸め具合などもあるのですが、今回はそこには触れないことにします。

 
機材はお金さえ払えば空気抵抗が少ないものを買えるのですが、自転車が受ける空気抵抗の8割以上がライダーのもの(らしい)ですので、機材にお金をかける前にまず、乗車ポジションを最適化していった方が有効と言えます。

トライアスロンのバイクパートでは、コース特性にもよりますが、そのほとんどの行程(7割くらいかな)をDH(エアロ)ポジションで乗ることとなります。
一般のロードバイクのようにハンドルを握ったポジションよりも空気抵抗を減らすためです。
前述のように空気抵抗を減らすためには前面投影面積を小さくする必要があるので、DHポジションは理にかなった乗り方なのです。

では、一般的なロードバイクにただDHバーを付ければ良いかと言うとそうではありません。
腕を伸ばしてハンドルを握るように調整されているところにDHバーを付けると、たいていの場合肘を乗せる台座が遠すぎ(前すぎ)ます。
肘の位置が遠いとどうなるでしょうか。

まず、この(へたくそな)絵を見てください。

二本のマッチ棒を直角につなぎ合わせたものです。
このうち一本が床と垂直になるようにして上から力を加えます。
この場合、マッチ棒が上からの荷重をうまく支えてくれます。
 
 
次に、マッチ棒を鈍角(山なり)に繋いで上から押すとどうなるでしょうか。

荷重を支えきれなくなって潰れてしまいますよね。 
 
 
この2本のマッチ棒をライダーの腕と胴体だとします。

DHバーを前に出せば体勢は前傾姿勢になり、前面投影面積は減るでしょう。
しかし、斜めになった腕で長時間に渡り自分の体重を支え続けるにはかなりのエネルギーを使います。
それよりも多少は前面投影面積が増えても肘の位置を手前に持ってきて、楽に体重を支えられるポジションになるように調整した方が、最終的には有利に働くはずです。
 
空気抵抗を減らしたいあまりに疲れる体勢になっていては本末転倒です。
しかし、レースの際に見ると、けっこう無理な体勢で乗っている人が多いです。
ほんと、もったいないと思います。

自分のレース時の写真を見直したり、第三者から客観的に見てもらったりして、時々ポジションの見直しをすることが大切です。
最近ではフィッティング機器も良いものがありますのでショップなどで相談してみるのも良いでしょう。
ただし、ポジションには好みもあり、機械で判定したものが全て正解って訳でもないので、やはり時々見直す必要がありますね。


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