トライアスロンコーチのチバナです。
今回はスイムパートを終え、バイクパートに移る際の乗車方法について解説します。
規定ではトランジッションエリアを出た所に設置された「乗車ライン」を(前輪最前部が)超えるまでバイクに乗ってはいけません。
スイムフィニッシュ地点からバイク乗車ラインまでがかなり距離のある大会もあります。
個々をいかに素早く通過できるかでリザルトはかなり違ってきますし、
トランジットの争いもトライアスロンの醍醐味の一つです。
バイクに乗りながらシューズを履く方法
バイクにまたがり、走りながらシューズに足を入れるという方法です。
バイクシューズをあらかじめペダルに取り付けておくことで
乗車ラインを超えたところでバイクに飛び乗りすぐにこぎ出せます。
トランジッションエリアを素足で走りバイク乗車ラインまで行くのでタイムロスが最も少ない方法です。
特にショートディスタンスで記録にこだわる場合は必須のスキルと言えるでしょう。
ハーフディスタンス以上でも上位を目指す選手はほとんどこの方法で乗ります。
ただし、このやり方は落車の危険も伴いますので、事前に安全な場所で練習をして慣れておくことが必要です。
乗りながら足を入れやすいよう工夫されたトライアスロン専用シューズもあります。
通常のシューズでやるよりも難易度が下がるので使用してみるのも良いでしょう。
SHIMANO(シマノ) TR500MW SPD/SPD-SL ビンディングシューズ 43(27.2cm) ホワイト ESHTR5OC430SW00
最初にシューズを履いてしまう方法
方法、と言っていますが、何のことはない、バイクシューズを履いて
トランジッションエリアをカツカツ走って乗車ラインに向かう方法です。
レースにもよりますが、参加者の8割方がこのやり方でしょう。
しかし、私はこのやり方はお勧めしません。
なぜかというと・・・
トランジッションエリア内の自分のバイクラックから乗車ラインまでが遠い場合、クリート(固定金具)が付いているシューズでカツカツカツカツカツカツと走るのはかなりのタイムロスになります。
大きな大会になるとトランジッションエリア内を数百メートルも走らなければならない事もあるので、素足にで走ったときに比べ2倍以上の時間がかかることもあるでしょう。
また、コンクリートやアスファルト・石畳等が露出した地面もあり、クリートを破損してしまう可能性があります。
ペダルにシューズを固定できなくなり、最悪の場合競技続行が不可能となります。
以上のような理由から、最初は無理でも少しバイクに慣れてきたら、乗りながらシューズを履く練習をしておいた方が良いと思います。
一度できるようになってしまえば、ずっと使える技術です。
裏技
「有利なことはわかったけど乗りながらシューズを履くなんて無理!」
そんな人には裏技があります。
乗りながら履く危険も伴わず、トランジッションエリアでのタイムロスやクリートが破損することもない方法です。
その裏技とは・・・
①トランジッションエリア内、乗車ラインまでシューズを履かずに小脇に抱えて走る。
②乗車ラインを超えてから路肩でシューズを履いてバイクに乗る。
これだけです。簡単です。
ただし、絶対に気をつけてほしいポイントがあります。
乗車ラインを超えたばかりのところは選手が多く接触の危険がありますので、乗車ラインを超えて、更に思い切って10~15m程過ぎて安全な場所までバイクを押して走って行きましょう。
これくらいは素足で走ればタイムロスはほとんどありません。
他の選手の走行を妨げることがないのは大前提です。
JTUのルールブックによれば
●第25条
正当な理由がある場合を除くほか、コースの逆走及びコース上で停滞をしてはならない。
●第77条バイク競技中は、常に周囲に対して注意を払わなければならない。
2 徐行・減速・停止などによりいつでも危険を避けることができるよう心がけるものとする。
と規定されています。
他の選手の邪魔になるような場合はこれに抵触する可能性があります。
そこに気をつけていれば、
●第71条
バイクの乗車は、バイク前輪の最前部が「乗車ライン」を通過してから、これをすることができる。
2 乗車ラインを通過してからもバイクを押して走ることができ、乗車ラインを越えた直後に乗車しなくてもよい。
この規定により、少し先まで自分の脚で走って行くことは問題ありません。
※大会独自のローカルルールがある場合はそれに従ってください。
私は過去何回もこの方法を使ったことがありますが、
審判にとがめられたことは一度もありません。
トランジッションエリアの広さや路面の状況等を勘案し、適切な方法を選択してください。