何足かストックしていたミズノのランニングシューズ「ウェーブエンペラー2」ですが、
全て履きつぶしてしまったので、
後継モデルのウェーブエンペラー3を買ってみました。
(ウェーブエンペラーJapanではなく、通常モデル)

私は、トライアスロンを始めたばかりの頃(23年前)は
アシックスのシューズをメインに履いていましたが、
自分は足の形状が細いため、
アシックスよりも足首とかかと周りのホールド感に定評のある
ミズノに変えた経緯があります。

一般的にシューズは2E(EE)の足型に合わせて作られることが多いですが、
私の足は2Eよりも2段階下(細い)のDなので、
ミズノの、スリム(幅狭)タイプのモデルを使用していました。

そんな私の足に良くフィットしたのがウェーブエンペラー2のスリムタイプでしたので、
何足も買って、ストックしていたのです。

しかしながら、ストックは尽き、
メーカーラインナップも2から3へ変わりました。
3が出てから、もうかなり過ぎて、3から4へ移行しようかという時期です。
そんな時期に、3の値段が下がってきたタイミングでの購入です。


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早速、10km程度走ってみました。
同じ名前のシューズでも2と3では全く印象が違ったので
感じた点を簡単に整理してみます。

グリップ性能は変わらず良い

G3ソウル(小さな突起)によるグリップ感、着時地の反発感、
厚さ9mmのドロップ(かかと周辺の厚み)、
ミズノウェーブ機構による安定性、
などは、前作の2と変わりありません。
見た目の形状も変化なしです。

グリップ力、反発力、安定性、
これらのどれか一つでも欠けると、
走り方や、フォームで多少の補正を欠ける必要があり
タイムロスや故障の原因になってしまいます。
ウェーブエンペラーはこれらを高いレベルで実現していて、
安心度が高いシューズです。

ホールド感・甲周りは向上し、足首周りは低下!?

ウェーブエンペラー3には2まであったスリムタイプがなくなりました。
その代わりに、新機構として独立補強ベルトが加わりました。
公式HPによれば
『「合う」から「合わせる」へ。調整機能で、フィッティングを他社と完全差別化。』
だそうです。

[↓ミズノ公式HPより抜粋]

 
足の横振れを防ぐために独立した補強ベルトが靴紐と連動しています。

今までのシューズも、横振れを防止する補強は入っていましたが、
アッパー部分に縫い付けてある一体型でした。
(↓赤いシューズは前モデルの2)

一体型と独立型ではどんな違いがあるのでしょう。

一体型の場合、靴紐をしめた時に、
紐を通す左右の穴の幅だけをギュッと狭めるために、
甲の上部分が窮屈なのに、靴底周辺はユルいまま、ということがありました。

補強ベルトが独立すると、
紐をしめた時に、補強ベルトが、靴底をすくい上げてくれるので、
甲全体を均一に包み込むようなホールド感を得られます。
例えるなら、古来の「わらじ」を履いた感覚に近いのでしょうか。
これにより、蹴り出しの際に、靴底に隙間ができたり、
足が左右にぶれたりせずに、足にシューズが吸い付くような印象を受けます。

ただし、この感覚、
好みが分かれるかと思います。
従来の甲の上部分をギュッと締め込む感覚に慣れているので、
足首周りがスッカスカに感じるのです。
従来だと足首周りがスカスカ=靴と足がフィットしていない、という体感覚が染みついているので、
「足首スッカスカなのに、靴が吸い付いてくる」という新しい感触に戸惑います。
蹴り出しの時に、足がすっぽ抜けてしまうのではないかという不安さえ抱きます。

私も最初、この感覚がとても気持ち悪くて、
補強ベルトよりも深いところ(足首側)にある、穴に紐を通してみました。
ウェーブエンペラー3には補強ベルトよりも深い場所に更に2カ所の紐通し穴を設けてあります。
補強ベルトよりも、一段階深いところの穴まで紐を通しました。

補強ベルトよりも深いところに紐を通すべきではない・・のか?

通してみると、今度は、窮屈でした。
感覚としては、従来のシューズに近いのですが、
足首を圧迫しすぎて走りづらくなりました。
かと言って、紐を緩めると、補強ベルトの機能がゼロになる・・とまではいかないまでも
下から吸い付く感触はやや減ります。
補強ベルト部分よりも深いところまで紐を通すと2に近い左右からの締め付けを感じますが、
窮屈な感じもします。

何でこんなに窮屈になるのかと思って、2と比べてました。

上の写真のウェーブエンペラー2をはじめ、
多くのランニングシューズには、足首周りのホールドを調節するために、
通常、紐を通し追える穴よりも深いところに予備の穴が設けてあります。
2の場合、私は、この一番深いところの穴に紐を通すと、
かなり窮屈に感じたので、使っていませんでした。

ウェーブスペーサー3には補強ベルトよりも深いところに2カ所の穴があります。

予備の穴は一カ所というのが普通だと思うので、
二番目に深い所まで紐を通したくなるのですが、
ここまで紐を通すと、走りづらくなる人のほうが多いのでは、と予想します。

2と3を並べて比べて分かりました。

2足を、かかとと、ソールの側面の形状を目安にぴったりと並べて比べると、
2で、最深から二番目の穴と、3の補強ベルトの位置がほぼ一致しています。
(写真の黒ライン)

3の最深から二番目の穴は、
2で私が「窮屈すぎる」ため使わなかった最深の穴と同じか、
やや深い場所にあります。
(写真の緑ライン)
3の最深の穴など、あんなもの飾りです。
(写真の紫ライン)
かかとのカップの形状などに違いがあるかもしれないので、
並べて比べてみただけでは断言できないのですが、
3の最後方の穴は、かなり深い場所にあるため、
よほど足首が細い人でない限り、使う必要はないと思われます。

※予備の穴を使ってループを作って、紐を通すやり方など(詳しくはググってください)もありますが、
独立補強ベルトの機能が活きないと思いますし、個人的にはお勧めしません。
(履くのに時間がかかるのでトライアスロンにもそぐわない)

2020.10.15追記
紐を補強ベルトまで通して、トータル50kmほど走ってみました。
50km走って、気持ちが変わりました。
補強ベルトより1段階深い穴まで紐を通そうと。

理由は
紐を補強ベルトまでにすると、下から靴が吸い付いてくれるけど、
足首周りが広すぎて、左右にぶれて疲れる気がしたからです。
やや窮屈になりますが、補強ベルトよりも1段階深いところまで紐を通すことで、
左右のブレが軽減されました。
ただ、前述のように、締めすぎるとかなり窮屈になって走りにくいので、
気持ち緩めに紐を締めるくらいが、私的にはちょうど良かったです。
補強ベルトの存在に加え、メッシュ以外の部分の素材が2よりも固い素材となっています。
この影響で、あまり強く紐を締めなくてもカチッとホールドしてくれました。
逆にあまり強く締め込みすぎると、小指の先が痛くなったり、足の甲がしびれたりしました。

良くも悪くも、カチッとしたホールド感です。
フルマラソンなどの長時間使用は、かえって疲れる人もいるかもしれません。

追記終わり。

つま先のホール感は大幅アップ

ウェーブエンペラー3では前モデルよりも
つま先側まで紐で締められるようになっています。

[↓ミズノ公式HPより抜粋]

これまで長きに渡り、ミズノのランニングシューズは
かかと側のホールドには定評があったものの、
つま先側はややゆとりを持たせてあり、
好き嫌いが分かれるところでしたが、
3ではより足先に近い箇所まで締め付けを調整できるようになりました。
これは画期的な改変だと思います。

トライアスロンの場合、水泳で始まり、
夏のスポーツであるが故、バイクで身体に水をかけながら乗って、
ふやけた足でランシューズを(人によっては裸足で)履きます。
ランでも身体に水をかけ、シューズはずぶ濡れ、
グッチュグッチュと言わせながら走ることが多いです。
柔らかくなった足がシューズ内で擦れると
マメが潰れたりして大変な思いをします。
そのためフィット感の良いシューズを選ぶ必要があるのです。
これまで、つま先がガバガバだからという理由で、
ミズノを敬遠してきたトライアスリートも多いかも知れません。
今回の改変でトライアスロンでも使いやすいシューズになったはずです。
 

最後に

フィット感が劇的に向上し、トライアスロンにも使いやすくなった
ウェーブエンペラー3。
私なら、ショートからミドルの距離設定のトライアスロンでは
このシューズ一択な感じです。
ロングのレースなら・・悩みどころですが、
クッション性重視でウェーブエアロあたりも候補に入れます。

独立した補強ベルトというのは
今までありそうでなかった仕組みですね。
海外メーカーのトライアスロン用のランニングシューズで
甲周りに張ったワイヤーをラチェットで締め込むという仕組みのものがあったような気がしますが・・・
信頼と実績の日本メーカー、ミズノが作ったという事実が個人的にでかいです。

まずは・・足首周りがかなり自由な感覚なのに、
足に吸い付いてフィットする不思議な感覚にまず慣れるところから始めます。
来月のアイアンマン70.3ジャパンはこれで走ってみるつもりです。
 

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今回は以上です!
はちゃの!

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