トライアスロン、だけでなくスポーツ一般に言えることですが、
長く楽しく続けるコツは、無理をしないことですね。
そして、普段の生活でも、体に無理を強いないように心がけることが大事です。
よく言われるのが
「体の声をよく聞く」
です。
体の声を聞く、と言葉の上では理解していても、
結局、行動が伴っていない人が多いようです。
例えば、疲労がたまっているのを実感していても
練習を休むことができない、とか。
アスリートは真面目な人が多いのか、
オーバーワークで体調を崩した人をたくさん見てきました。
先日も、私の知り合いのアスリートで
風邪引いて、喉と鼻がやられて、グズグズゴホゴホ状態なのに
「軽いランニングだけ」などと言って、
練習してる人がいました。
私も、風邪を引いたときの練習については、
いろいろと試してきました。
例えば、
●軽い練習をすることで体温を上げ、ウィルスを死滅させる説
●症状が首から上だけなら練習OK説
など。
そして、これらを試した結果、
結局、今は「おとなしく休むのが一番」という結論に至りました。
練習で体温上げても風邪は治りませんでしたし、
練習効果も期待できません。
今では、ただ、休む(寝る)、それが一番早く風邪を治す方法だと思っています。
そして、「食事は重要ではない」ということを付け加えておきます。
風邪を早く治す方法、それは、食わずに寝ること
つまり、風邪を早く治すためには
●(できるだけ)安静に寝る
●無理に食べない
です。
これが、私個人の経験上では、一番です。
「寝る」というのは理解できるけど、
「食べない」っていうのはちょっと意味が分からん、と思う方もいるでしょう。
※人によって生活スタイルや、体の状態が違うので
「できるだけ」という言葉を添えてあります。
風邪を引いたとき、体の中では、
免疫細胞たちが、ばい菌と戦っています。
これには、たくさんのエネルギーを必要とします。
この免疫機能に必要なエネルギー確保するために
余計な活動を抑えると良いわけです。
つまり、いかに「エネルギーの節約」をするかが
風邪を治すポイントとなります。
まず、「寝る」ことは
エネルギー節約という点から最も効果的な方法です。
これに関しては説明は不要だと思います。
そして、なぜ「食べない」のか・・
一般的には、「たくさん食べて栄養取って」と言われますが。
これもエネルギーの節約の一環です。
体中では、生命活動を維持する上で不必要なものを体の外へ排出する働きがあります。
「代謝」というやつですね。
風邪を引いたときに、免疫細胞がウィルスなどを駆除し、排出するのも代謝です。
風邪の時は、体は、この代謝にエネルギーを使おうとします、最優先で。
人は食べた物を胃や腸で消化吸収します。
この「消化吸収」というのは、「代謝」と真逆の減少です。
つまり、体は生命維持のために代謝を優先したいのに、
逆の行為である消化吸収にエネルギーを振り分ければならない状態になります。
それにより、免疫機能がエネルギー不足で活性化できずに、
結果として、風邪が長引くということになるのです。
でも、断食はダメ
以上の理由で、風邪を引いた時には
食べずに、安静にして寝ているのが一番良いという結論に至ったわけです。
しかし、完全に断食すれば良いかというとそうではありません。
人間は肝臓にエネルギー源(グリコーゲン)を貯蔵しています。
個人差はありますが、1800~2000キロカロリーの貯蔵です。
なので、少しくらい食べなくても体はこの貯蔵エネルギーを利用します。
ただし、この貯蔵が枯渇するほどの断食は良くありません。
また、持久系アスリートはこの貯蔵エネルギーを上手く使う能力に長けているのですが、
一般の方は、この貯蔵を上手く利用できない人もいます。
そうなった時に、体は、筋肉を分解してエネルギー源にしようとします。
これは好ましい状態ではないので、
必要最低限の食事と水分補給は必要でしょう。
じゃぁ、必要最低限の食事量ってどれくらい?
必要最低限の食事ってどれくらいなのでしょうか。
これは、一概には言えません。
私は、風邪で38度の熱が出たときは、食事量は普段の3分の1以下でした。
医者にかかりませんでしたが2日で日常生活に戻れました。
ただ、これはあくまで、私の場合であって、
皆さんが同じではありません。
そんな無責任な!
と言われると申し訳ないのですが、答えはありません。
ここで、最初に書いた「体の声をよく聞く」ということに繋がります。
体が食べ物を欲しているなら、
それが食欲となって感じられるはずですし、
もし、食欲がない、と感じるなら
体が欲していないのですから、食べなくても良いのです。
犬や猫を飼っている人なら経験あるかもしれませんが、
彼らは体調を崩したときには
じっと動かずに寝ています。
そして、食べ物を目の前に置いても、
見向きもしません。
動物は自分の体の声に従い行動してるのです。
本能的にベストな方法を取っているのですね。
人間は、テレビだのネットだの、いろんな情報に惑わされがちです。
「風邪の時はたくさん食べて栄養を取らなければ」という先入観で
体の声を無視するのは良くありません。
最後に
風邪の時はもちろんのこと、
アスリートは日々の生活で「体の声を聞く」のはとても大切なことです。
突発的な事故は別として、
故障する人のほとんどは、体の発するサイン(悲鳴)を無視したことが原因です。
「ライバルがやってるから」
「休んだら弱くなりそう」
「怠けたら強くなれない」
などという思考ばかりを優先し、
体の声を無視するのです。
故障で長期離脱するほうが、ずっとパフォーマンスを下げます。
優れたアスリートの条件は
自分の体の声をきちんと聞けること、なんです。
「体は心の奴隷ではない」
私がいつも肝に銘じてることです。
師匠の竹内鉄平さんからいただいた言葉です。
これから、冬に向かいます。
もしかしたら体調を崩してしまう人もいるかもしれません。
ご自身の体の声を聞き、冬を乗り切り、
2019のトライスロンシーズンを迎えてください。
今回は以上です!
はちゃの!