一昨年、温海トライアスロン大会で死亡事故が起きました。亡くなられた選手のご冥福をお祈りします。
この事故に対し亡くなった選手の遺族が大会運営側を相手取り訴訟を起こしているといるというニュースを見ました。
スイム競技中に溺れている選手が発見され、それをスタッフが救助する際に手間取ったことが原因で死亡したという訴えです。
私は現場に居合わせたわけではなく下手なことは言えないので、あくまで私個人の思いということで書いています。
争点となるのは
①発見された時の容態(呼吸や意識の有無)
②救助に手間取らなければ本当に助かったかどうか
③救助作業は適切だったと言えるかどうか(教科書通りの満点の救助以外は罪となるか)
④出場前に本人から健康状態申告書を提出されているかどうか。提出されている場合、内容に虚偽がなかったか。
⑤競技中の事故に際して、大会運営側が責任を負わない旨の誓約書を提出しているか。
この辺なのかなと思います。
特に④と⑤ですが、
トライアスロン大会においてはほぼ間違いなく提出義務があるはずで、提出したからこそ出場したんだと推測します。
これを提出させるからこそ各地で大会運営ができていると言ってもよいでしょう。
これらの書類の効力がどこまで及ぶか、判決如何によっては今後はトライアスロンの大会なんて開催できないという状況になるかもしれません。
あるいは、多額の保険料を上乗せされて大会参加料がものすごく高くなるかもしれません。
また、地元地域や支援団体・企業あってこその大会です。
地域活性化や経済効果の面から、地元・運営・選手がWinWinWinの関係を保ち続いてきた歴史ある大会です。
地元でのトライアスロン熱が冷めてしまうとすれば、それは日本のトライアスロン文化の後退です。
事故に対して再発防止策を講ずることはとても大切ですし必要でしょう。
適切な策を講じた上で引き続き温海トライアスロンの歴史を重ねていってほしいと思います。
トライアスロン競技は自然との闘いでもあり、常に危険と隣り合わせです。
特にスイムは海を泳ぎますから、溺れても発見されにくく、最悪の事態となるケースもあります。
それでも我々トライアスリートは挑戦を続けます。
感情論になってしまいますが
「天国にいる本人がこの裁判を望んでいるのか」
と考えずにいられません。
PS
トライアスロンの本場であるアメリカなどでもこういう訴訟は起こるのでしょうか。
日本よりも競技人口も大会の数もずっと多いです。
比例して事故率も高くなるのは必然と思います。
ましてや向こうは訴訟大国です。
大会運営側はこういう問題をどうやってクリアしているんでしょうか。