普段運動をやっていなかった人が
健康増進やダイエットのためにランニングを始めるとき、
いきなり走り始めたら膝や足首をすぐに痛めてしまいます。
それは関節を支える筋肉や体幹の強さが、
走る動作である「跳ねる」「蹴る」「支える」などに対応できずに
悲鳴を上げてしまうからです。
なので、すぐに走りたい気持ちを抑えて、
まずはウォーキングから始めましょう。
15分のウォーキングから始めて30分のウォーキングへ、
そして、少し早足のウォーキングへ。
背筋を伸ばすことが意識できるポールウォーキングがお勧めですが、
もちろん、普通のウォーキングでもOKです。
10日~2週間程度、ウォーキングを継続し、
どこにも痛みが出なければ、
ランニングに必要な最低限の筋力は付いていると思われます。
では、いざランニングへ!
と行きたいのですが、ちょっと待ってください。
ウォーキングからランニングへ切り替えるときには
怪我のリスクが高まります。
歩行は踵、走りはつま先で着地する
人間の動作として、ザックリ言うと、
歩くときは体の前側に踵から着地し、
走るときには体の真下につま先から着地します。
例えば、同じ時速5キロでも、
歩くのと走るのとでは、足の運び方や着地方法が違うのです。
それはつまり、瞬間瞬間で使う筋肉が微妙に違うことを意味します。
また、走る動作は体が完全に宙に浮く瞬間があるので、
着地による体への負担が増します。
歩→走の切り替えの壁
ウォーキングで充分に基礎体力を付けたつもりでも、
ランニングに切り替えた途端に膝を痛めるような方がいらっしゃいます。
ここで無理してしまうと、
治療に長期間かかったり、
自信をなくして諦めてしまったりすることもあります。
30分の早足ウォークができるからと言って、
いきなり30分のランニングはNGです。
最初は10分程度からでOK。
歩くのと変わらないような、「駆け足」程度のラニングから始めましょう。
踵着地で走るのはNG
ウォーキングと同じように
ランニングでも踵から着地するのはお勧めしません。
ランニングは前述のように、
体の真下に着地するのが効率の良い走り方です。
踵で着地するという動作は、
どうしても体の前へ着地することになります。
着地の度に、ブレーキをかけながら走ることになりますし、
膝などへの負担が大きくなり、怪我のリスクが増します。
クッション性の良いシューズを履くと、
衝撃をある程度緩和してくれるので、
スピードを出さなければ、踵着地で走れちゃうのですが、
これは危険です。
脚力が付いてスピードが上がってくると、
高確率で膝を痛めます。
本来、生物としての人間の動作として、
走る際に踵で着地することはしません。
可能であれば、試しに
体育館などを裸足で走ってみてください。
シューズのなどのクッションに頼れない環境、
つまりホモサピエンスが野生で走っている環境では
本能的に踵ではなく、つま先側で着地をするはずです。
現代人はシューズの快適性に慣らされていますが
本来は踵着地は歩く動作なのです。
ということで、
走るときにはつま先側で着地して欲しいのですが、
何度も言うように、
動作の切り替えが必要になりますので
怪我のリスクが高まります。
ここを上手く乗り切れば、
走力は文字通り加速して行きます。
PS.
足裏全体で着地する
フラット着地走法というのもあります。
しかし、フラット着地は意識してやろうとすると
少し難しいです。
最初のうちは、つま先着地を意識することでOKです。
PS.2
つま先着地と言っても、
踵が地面に着かない訳ではありません。
踵よりもつま先が先に着地することです。
時々、つま先オンリーで走ることをイメージされるか違いますがNGです。