ランニングをやり始めると運固をしたくなることはありませんか?
走る動作は上下の振動と左右のひねり運動が連続しますので
腸が刺激されて便意が加速するものと推測されます。
私は走り始めて少しすると決まって運固したくなるので、
アップ時は自宅からほど近いコースを選び、
いつでもトイレに駆け込めるようにしてます。

しかしながら、「便意はいつも突然に」やってくるもの。
ランニング中の便意にいつ何時でも対応できるように
イメージ・シミュレーションをしておくことをお勧めします。
今回は私の21年の経験に基づく「完全運固マニュアル」を記したいと思います。

 

はじめに

このマニュアルは、突然の便意に対し、
なんの準備もなく、近くにトイレもない、
このままでは、いい年して生き恥をさらすことになりそうだという、
危急存亡の秋を迎えたランナー(サイクリストも)のために書き記すものです。

誰もが一度は経験したことがあるであろう、
緊急的・絶望的な状況を打開するためのマニュアルです。

都会の人は真似しないで!

まず、注意しておきたいのが、
これから記すマニュアルは、
私が拠点とする土地、いわゆる農村部をベースとしていることです。
百歩譲って、中山間の地方都市まででしょう。
大都市部にあっては、このマニュアルは適用されません。
では、
「大都市部で活動するランナーの便意はどうしてくれんだ!」
ということですが、
コンビニでも、公園のトイレでも、
インフラが整っているでしょうから、上手く活用してください。
もう、これ意外にありません。

【基本編】物陰で野外運固

走りながら人目に付かなさそうな物陰を見つけます。
・全身が隠れる草むら
・土木工事用の資材置き場(土管など)
・林の中
・橋の下
・農地の窪地や田んぼの段差
などが良いでしょう。

夜間や、早朝など、全く人気のない時間帯や場所であれば、
心を落ち着けて、焦らずゆっくり運固をしてください。
暗闇に紛れれば、人知れずミッションを完了する確率が格段に上がります。
私の体験談としては、2014年のIRONMAN70.3台湾において、
約2,000人の選手・関係スタッフが往来するトランジッションエリアすぐ脇の
植え込みの中でミッションコンプリートを果たしました。
まだ夜明け前の暗い中でしたので、
目の前数メートルの所では選手がアップしている状況でしたが、
完全に気配を絶つことに成功しました。
おかげで、そのレースでは日本人トップ、
総合でも10位(だったと・・思う・・)に入り、
世界戦出場権をゲットできました。

日中など、少しでも人に見られる可能性がある場合は、
できる限り迅速にミッションを完了させる必要があります。
走りながら身を隠す(運固する)場所の目星を付けたら、
そこに到達するまでにあらかじめウェア等の紐をほどき、手袋等も外しておきます
そして、運固ポイントに着いた瞬間、素早く、べろっとお尻を出し、
なるべく短時間に、しかし、完全に出し切ります。
恥ずかしさのあまり、
中途半端でミッションを追えた場合、結局もう一度便意が襲ってくる可能性があるからです。

しゃがむ向きで恥ずかし度が違う

また、切羽詰まった状態でうっかり犯してしまいそうなミスが、
体の向き」でしょう。
必ず、物陰の入り口側を向いてしゃがまなければいけません
これは重要なことです。なぜでしょうか。
あなたが草むらや物陰で運固をしている途中、
不運にして、そこに誰かが入ってきたら?
恥ずかしい姿を見られたとしたらどうでしょうか。
あなたが入り口側を向いていない場合、
丸出しのお尻と、放出された運固が丸見えなわけです。
それって、超恥ずかしくないですか?
これを恥ずかし度100としたら、
正面向かい合った体勢で見られるのは、
うまく行けば、お尻と運固丸見えは避けられますので、
恥ずかし度90くらいで済みますから。
2011年のIRONMAN70.3セントレアにおいて、
スタート地点に近い、りんくうビーチ脇の草むらに分け入った際、
ナショナルカラーであるグリーンのワンピースのウェアをべろっと下ろした
オージーの選手(エリート女子)がしゃがみ込んでいました。
こちらに背を向けて。
お尻と運固は丸見え、「WOW!」と声を上げ、
恥ずかしさと驚きの表情でこちらを振り返るオージーの選手(エリート女子)が
私の記憶に鮮明に刻み込まれています。
この場合、この選手はトライアスロンにおいてはエリート選手でも、
こと野外運固に関して言えば素人レベル
と言わざるを得ません。

夏は葉っぱ、冬は手袋

運固を全て出し切ったらお尻を拭かなければなりません。
ポケットティッシュを携帯していれば万事解決なんですが、
今日に限ってうっかり忘れてしまった」ということもあるでしょう。
そんな時は周辺の雑草の適当なサイズの葉っぱを使いましょう。
普段トイレで拭くように完全に拭き取るのは無理です(きっぱり)。
野外運固をする以上は、
完全にお尻をきれいにしようなどと考えてはいけない
のです。
上級者ともなれば、葉っぱで、ある程度お茶を濁しておいて、
その後周辺の川に飛び込んでお尻を洗うという応用スキルも使えるでしょう。
もちろん夏季限定ですが。
冬期間であれば、ニットやフリース製の手袋やネックウォーマー、
アームカバーを犠牲にすれば、葉っぱよりもきれいに拭き取れますし、
雪国なら(超冷たいですが)通常のトイレ並みにきれいに拭き取ることもできます。

【上級編】水中(川)運固

これは場所と季節を選ぶ上、
スキルを必要とするので上級者向けとなります。
ザックリ言うと水中でお尻を出して運固をする、という、
文字で書くとごく単純な作業ではあるのですが、これがなかなか難しいのです。
まず、ベストなのは、流れが速すぎず、腰辺りまでの水深の川でしょう。
あまり透明度が高くないほうが望ましいですが、清流でも可能です。
方法としては水に入るまでの動作は基本編と同じで、
そこに到達する前にウェアのヒモ等はあらかじめほどき、
すぐにお尻を出せるようにしておきます。
水中に腰までつかり、お尻を出したら、運固放出ですが、
その時大事なことは、必ずお尻を下流側に向けることです。
その状態でM字もしくはY字開脚、
それと同時に迅速に運固を下流向かって流す意識で解き放ってください。

体勢維持が難しい

水流に負けずに体勢を維持すること、つまり、
シューズの浮力によって足が浮き上がり、恥ずかしい部分が水面に顔を出すことを防ぐことにかなりのスキルを要します。
これが上級編に位置づけられるゆえんでしょう。
しかし、このテクニックが身につけば、
ウェアはもちろん、事後のお尻もきれいに洗うことができ
(手で洗う勇気があればなおきれいに!)
気分爽快で競技や練習に復帰できるのです。

【エリート編】水中(池)運固

基本は上級編と同じ水中での運固ですが、
これは川のように流れていない池のような場所での方法です。
行為に至るまでの過程は基本編・上級編と同じ。
川と違うのは、水中で開脚の後、
両手スカーリングからの運固放出という点。
そう、川のような水流がないのであれば、
自分の力で流れるのです。
というか流れなければなりません。
スカーリングと、必要であれば多少の「巻き足」で
後方に少しずつ移動しながらの運固。
こうすることで放出された運固が水中を漂って
自分の体に接触することを防ぐことができるのです。
放出にかかる時間を10秒とすると、
最低でも10秒は、止まらずに後ろに移動し続けます。
欲を言えば12秒くらいは移動し続けたいです。
私の経験上5m以上の幅のある池であれば、問題ありません。
1秒に50センチほど後退するのです。
仮に、これを失敗すると自分の周りが運固水になり
途方に暮れる事態に陥るでしょう。
なので、運固に集中しつつも、
後方への推進力を得るために常に手も動かしておくことが大切、
これがかなりの難易度です。
自分が「運固エリートだ!」と思えるようになったら
是非挑戦してみてください。
なお、近くに海があるよ!という地域の方は積極的に利用しましょう
広さ、水深、流速、どれをとっても素晴らしい環境です。
人に見られてもあまり怪しまれることなくミッションを終了できます。

錦鯉にとってはご馳走らしい

蛇足ですが、
以前、養鯉池でこのミッションを遂行したことがあります。
もちろん私はエリートクラスなので、
難なくミッションを終了しようとしていました。
すると、池で養殖されている色とりどりの錦鯉たちが、
私の周りに寄ってきて、美味しそうに私の運固を食べ始めました。
もう、取り合い、奪い合いでした。

当地は錦鯉の名産地である、
小千谷市や山古志にも隣接し、錦鯉養殖が盛んです。
一匹100万円を超える高級魚もいます。
海外からも人気で、
各国からバイヤーがやってきては高値で取引されているようです。
まさに、新潟が、いや日本が誇る文化、産業ですね。
錦鯉が立派に色を付け、大きく育って、
日本各地、世界各国のマニアを魅了しています。
私の運固がその一躍を担っていると思うと、
とても感慨深いものがあります。

まとめ

ランナーやサイクリストにとって、
突然の便意は経験した人でなければその辛さは想像できないでしょう。
野外運固をする!
という咄嗟の決断力と勇気が明暗を分けることとなります。
野外運固をしてお腹すっきりで帰宅するか、
勇気が出なかったばかりにパンツ汚しながら帰宅するか、
あなたはどちらを選択するでしょう。
人間はプライドにとらわれる生き物です。
プライドがあるからこそ進歩できるとも言えます。
しかし、プライドを捨てきれないばかりに、
新しい世界に飛び込むチャンスを失うのもまた真理。
人間、何かを得るには、何かを捨てなければいけないこともあるのです。 
全国の便意に悩めるランナーの皆さんの幸せを、
新たなステージへのステップアップを願わずにはいられません。