トライアスリートでサングラスを使わない人はほとんどいないと思います。
日差しによるまぶしさの軽減だけではなく、バイクでは小さな虫やゴミが目に入ることを防ぐ意味でも非常に重要なアイテムです。

たくさんのブランドがある中で、どれを選べば良いのでしょうか。

選ぶ際のいくつかのポイントを挙げてみましょう。
 


 

レンズの色

快晴時は濃色レンズ

もしも、レース(練習)の間、ずっとギラギラの日差しが注ぐようであれば、黒か濃いブルー系のレンズを選択します。
各メーカーで最も濃色の物を選んで問題ありません。
可視光線透過率10%前後が目安となります。
黒系のミラーレンズであれば最強でしょう。
ただし、途中で長いトンネルなどを通過するようなレースでは、着用したまま暗い中を走行することになりますので、危険が伴います。
コースを良く確認しておかなければなりません。
練習なら、トンネル通過の時だけ外すなどすれば大丈夫です。

晴れているけど長いトンネルがあるときは中濃色

屋外はギラギラ太陽、でも、途中でトンネルがある、というときは、黒青系で透過率20~30%程度のレンズを選択すると良いでしょう。
このクラスのレンズなら、多少日差しのまぶしさを感じるものの、我慢できないほどではなく、また、トンネル内でも通常の照明があれば地面の凹凸を判別することができます。
(照明のないトンネルは、そもそも裸眼でも危ない)
 
 

曇天は透明~オレンジ系

一口に「曇り」といっても、薄曇りもありますし、暗雲立ちこめるような場合もあります。
薄曇りで、これから天気が回復する可能性がある場合は、上記で紹介した透過率40~50%程度のレンズをお勧めします。
これから天気が悪化する可能性がある場合は、コントラストがはっきりして周囲が明るく見える黄色やオレンジ系のレンズを使います。
また、より裸眼に近い自然な視界を確保したい場合は透明レンズという選択肢もあります。
透明レンズなのにサングラス?と思われるかもしれませんが、きちんと紫外線をカットしてくれますし、黄色系のレンズと同じでコントラストのメリハリがきいた視界を得ることができます。
 
 

ダークホースの赤色レンズ

メーカーによっては、赤色レンズをラインナップしていることがあります。
晴天時対応の濃色ミラーの赤レンズもあります。
着用すると当然ですが、視界が赤くなります。
私個人的にはストレスを感じますので、人にもお勧めしていません。
慣れと好みの問題でしょうから、好きな人はどうぞ、というレンズです。
 

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調光レンズ最強説

紫外線の強さに応じて自動的に濃度が変わるレンズです。
透過率15%~80%程度で変化します。紫外線のないときはほぼ透明になりますので、昼夜問わず使用できます。
レース中の天候の変化に柔軟に対応してくれるのでロングディスタンスなどのレースにはもってこいでしょう。
天気や時間帯によってサングラスを使い分けたり、レンズを交換したりする必要がないので、調光サングラスが1つあればあらゆる天候に対応できます。
まさに最強サングラスです。
私はRudy Project(ルディプロジェクト)の調光レンズを長年愛用しています。
※ただし、色が変化するのには早くても数十秒程度かかりますので、トンネルに進入した瞬間に透明になるわけではありません。

 

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形状

カーブが顔にフィットするか

スポーツ用サングラスは上から見ると顔の曲線に沿うように曲線的な形状をしています。
紫外線やゴミ、虫から目を守る為です。
この曲線が自分の顔の形状にフィットしないと、隙間が空きすぎたり、逆に隙間がなすぎて、まつ毛がレンズに触れたりして非常に不快に感じます
シューズやウェアと同様に試着してから購入するのが無難でしょう。
知り合いが使っている物を少し借りてみたりして、自分に合う物を見つけましょう。
※ショップなどで試着して、後ほどネットでポチるのが一番安く買える・・・というのは内緒です。

 

ノーズピースが調整可能か

上述の、顔にフィットさせるという点については、ノーズピースの調整が必要不可欠です。
鼻の高さ、目の奥行き、それぞれの位置関係は十人十色ですので、ノーズピースの幅や前後を調整して、一番ベストの位置を探ります。
まず第1に、ノーズピースが調整可能なこと、
第2に、交換可能なこと、
地味な部分ですがこれはとても重要な部分です。
サングラスの中にはノーズピースが固定されていて調整不可能なものもあります。
試着して、奇跡的に自分の顔にフィットするならOKですが、そうでなければ使うべきではありません。
 

 

ノーズピースがないサングラスもある

最近では、ノーズピースの代わりに、こめかみ付近でサングラスを支えるという、「発想の転換」商品が出て来ました。
実は、まだ使ったことがないので、なんとも評価できないのですが、爆発的人気を博しているということなので、今シーズン使ってみようかと思っています。
「ジゴスペック」という、メガネの産地として有名な福井県鯖江市のメーカーです。
国産メーカーですので、日本人の平たい顔の形状に合っているというのが魅力ですね。

ノーズパッドレススポーツサングラス AirFly(エアフライ)

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ツル(テンプル)の長さ、曲げ対応か

サングラスをベストの位置で固定するという点で、もう1つ重要なのが、ツルの構造です。
通常のメガネと違い、サングラスのツル(テンプル)は先が曲がって折らず、直線的な形状です。
なので、短すぎるとすぐに外れてしまいます。
・耳の後ろまで余裕で届く長さがあるか
・そして、その長いツルが頭部の形状に合わせて曲げられるか

がポイントです。
長く、曲げられるツルは後頭部を抱き込むような形にすることができますので、安定感が劇的に向上します。

 

重量

軽いサングラス、重いサングラス、その重量差などたった十数グラム程度でしょう。
しかしながら、トライアスロンのレースで10時間以上装着し続けるとしたら、その僅かな重量差の違いはストレスになって跳ね返ってくるかもしれません。
ノーズピースが乗る鼻の頭が痛くなったり、ツルが当たる耳の後ろが痛くなったり。
過度に神経質になることはありませんが、少しでもストレスを減らして競技に集中したいのなら、重量も(なるべく)気にしていきたいところです。
軽い素材はプラスチックでしょう。
しかし、上述のように曲げ対応のフレキシブルなツルは金属です。
これも、実際に手に持ったり試着してみて重さを感じてください。
繰り返しになりますが、過度にこだわる必要はありません。
スポーツ用サングラスはどれも軽くできていますので。
それよりも、フィット感を重視するほうがずっと重要です。

まとめ

以上のように、スポーツサングラスを選ぶ際のポイントは
1、レンズの色
2、顔の形状に沿ったカーブ
3、フレキシブルなノーズピース
4、フレキシブルな長いツル
5、重量

です。
自分の顔にフィットした調光レンズのサングラスを1つ見つけられたら、それでミッションクリアかもしれません。
しかし、おしゃれ感覚でいろんな色のレンズをそろえておきたい気持ちもあります。
シューズやウェアと違って、二の次になりそうですが、実はかなり重要なアイテムなのがサングラスです。
じっくり調べて、試着してから、妥協なく購入したいですね。

追記

サングラスの一番の目的は、紫外線から目を守ることです。
大手メーカーのサングラスは、どんな色のレンズであろうと、きちんと紫外線をカットしてくれます。
そういうふうに作ってあります。
「紫外線カット率100%」などの記載があるはずです。
しかし、例えば、100円ショップなどで売ってるような安物の中には、レンズに色が付いているだけで、紫外線をカットしてくれないものもあるので注意が必要です。
人間の目は明るいところでは同行が狭まり、暗いところでは開きます。
よく見えるために目が自然に反応するわけです。
濃い色のレンズを装着すると、人間の目は暗さを感じて瞳孔が開きます。
瞳孔がパッカーンと開いている状態で、紫外線はどんどんレンズをスルーしてくるわけですね。
これ、とても危険なのです。
なので、サングラス購入の際には、本文で述べたことに加えて、紫外線カット率をきちんとチェックしてくださいね。