こんにちは。
ミズノのランニングシューズ、
サブ3.5がコンセプトの「ウェーブアミュレット」廃盤に伴い、
シューズ難民になっていた私。
そんな中、スポーツ用品で
アディダスのサブ4コンセプトの「アディゼロジャパン4」がセール品となっていました。
ミズノのサブ4シューズ「ウェーブエアロ」の半額に近い価格で売られていたアディゼロジャパン、
今までミズノ信者だった私が、人生初、アディダスのランニングシューズを購入しました。
というのが、前回の記事でした。
→アディゼロジャパン4を衝動買い【人生初アディダス】
今回は実際に履いてみて、トライアスリート的視点での感想です。
Boostという素材
アシックスの「ゲル」、ミズノの「ウェーブ」、ナイキの「エア」のように、
メーカーを象徴する素材(技術)というものがあります。
アディダスを象徴するのがBoost(ブースト)です。
アディダスがブーストという素材を使ってきたのは、
それほど最近の話ではありません。
ブースト素材を使用したシューズを履いたマラソン選手が世界新記録を樹立したのが
2008年でした。
なので、もう12年以上も世に出回っている素材で、
ランナーの間ではおなじみの素材でしょう。
それでも、「ゲル」「ウェーブ」「エア」などに比べれば新しく、
新世代の素材と言えるかもしれません。
厚底シューズブームの火付け役となったのがこのブーストを使用したシューズです。
マラソンシューズと言えば、ペラペラの薄底シューズだと思っていた私ですが、
画像で見た時には驚いたものでした。
ブースト素材の特徴は、ザックリ言えば、
柔らかくクッション性があるにもかかわらず、
高安定性、高反発性という、
魔法のような性能が売りとなっています。
なんだか発泡スチロールのような外見で、
お世辞にも高級感や高性能らしさというオーラが出ているとは言いがたいです。
ぶ厚い靴底で、初心者のジョギング用シューズのように見えます。
しかし、実は、世界レベルのマラソンランナーが使う高機能素材なのです。
実際履いて走ってみたよ
まずは重量計測
27.5cm、片足で実測221グラムでした。
軽くもなく、重くもない、ですかね。
夏のスポーツであるトライアスロンでは
体を冷やすために水をザバンザバンと浴びながら走ります。
なので、乾燥重量よりも、濡れたときの重さも大事です。
乾燥重量が軽くても、いつまでもグチュグチュと水を含んでいるようなシューズより、
排水性能に優れたシューズのほうがトライアスロン的には良いシューズなのです。
この辺の検証は、また後日に。
足入れ直後の感想など
スリムなのでそもそも履けない人もいる
アシックスやミズノのランニングシューズは
日本人の標準的な足幅(ワイズ)である2E(EE)を基準に作られています。
2Eより細い足用は「ナロー(スリム)タイプ」、
太い足は「ワイドタイプ」としてラインナップするモデルもあります。
しかし、アディゼロジャパン4は
ワイズEが標準仕様となっています。
他のメーカーではナロータイプとしている細さです。
したがって、太い足で、普段ワイドタイプのシューズを使っている人は
そもそも足が入らないでしょう。
また、安定性を高めるためだと思いますが(後述)、
アッパー(甲を包む部分)とベロ(タン・紐の下の部分)が一体化している構造なので
標準の足幅でも、足入れが困難な人がいると思います。
私の場合、
足のワイズはEよりもさらに細いDです。
日本人としてはかなりの細い足となります。
それでも、簡単にスポッと足が入る作りではありません。
また、縦のサイズ感は、ミズノよりも若干小さめ(短め)の印象です。
私の足のサイズが
左:約268mm
右:約270mm
ミズノだと普通、27.0cmのシューズがジャストフィット、
ウェーブエンペラーだと26.5cmサイズでも大丈夫ですが、
アディゼロジャパン4は27.0cmサイズでつま先がやや窮屈な感じなので
27.5cmサイズを買いました。
購入の際の注意点としては、
かなり細身のモデルであるがために、
足幅の広い人が、無駄にでかいサイズのものをチョイスしがちになりますが、
その場合、つま先にガバガバの空間ができます。
シューズの機能を生かせず、重量も増えますので、
足幅の広い人は、他のモデルをチョイスしたほうが良いでしょう。
25kmほど走ってみた感想
安定感と反発性
まず、足を入れて、紐を締め、立ってみました。
そして、歩いてみました。
この時の第一印象は、
「グラグラじゃねーか」
安定感?ないよね?
というのが正直な感想です。
分厚いかかと部分、指で軽く押しただけでヘコむ素材、
かかとに体重を乗せて左右に揺さぶってみると
ほんとフカフカ、グラグラの不安定さです。
ミズノのウェーブのカチッとした安定性とは比べようがないくらいです。
若干のがっかり感を胸に走りだしました。
すると、なんということでしょう。
さっきのグラグラ感がウソのよう。
安定感をしっかり感じることができます。
また、着地の勢いを推進力に変える反発性も
ちゃんと感じる事ができました。
ただし、普段履いているミズノのシューズよりも、
着地→反発のタイミングが、若干遅れてくる印象。
まぁ、これは同じメーカーでも、厚さや素材の違いによって変わるものです。
慣れの問題なんだろうと思います。
足入れ直後の印象と違い、
走ってみると、なかなかに好感触なシューズです。
「何でだろう?」
その要因を考えてみました。
つま先部分はさほど分厚いわけではなく、広く作られている
かかとの部分はかなり厚い作りですが、
つま先部分はサブ4モデルとしては標準的(か、やや厚め)で、
接地面が広めに取られています。
このため、特に、私のような、フォアフット的な走りに対しては
安定感が出るのだと思います。
ただし、、かかとで着地(ヒールストライク)する走りだと
ややぐらつく印象がありました。
その厚さから想像するほど、ひどい不安定さではないものの、
モッサリ感は否めない、という感想です。
ただ、この感触は、個人差があるでしょう。
フルマラソンを4時間という、脱・中級者という走力で、
ジョギングシューズでは物足りないが、レーシングモデルはキツい、という人には
ちょうど良いのかもしれません。
適度に補強素材が入っている
アディダスのシューズは
「クッション、安定、反発のブースト素材」ということですが、
実は、このブースト素材を補強するパーツが組み込まれており、
それらが良い働きをしています。
まず、靴底のほぼ全体に埋め込まれているプラスチック製のプレート(のようなもの)です。
このプレートの働きにより、
着地の際のぐらつきを抑え、
また、かかと部分も、
「厚さから想像するよりは、思ったより安定してる」
という感触になるのだと思います。
次に、注目したのが、
アウトソール内側に貼り付けられたプレートです。
これは、ソール内側が過度に潰れないようにするものと思われます。
荷重の際に、足首が内側に倒れ込む(プロネーション)を防ぐ役割なのでしょう。
最初、ブロックのようなものが埋め込んであるのかな、と思いましたが、
周囲や、パーツそのものを指でぐりぐり押し込んでみたら、
立体的なパーツではなく、プレートでした。
そして、樹脂製トラスティックです。
中足部に樹脂製トラスティックを配置し、
ねじれを抑制し安定感を出す仕組みになっています。
アシックスやミズノなどの、多くのシューズにも採用されている機構ですが、
アディゼロジャパン4にも採用されています。
これらのパーツに加えて、さらに安定性に貢献しているのが、
細身の作りと、一体化したアッパーとベロ、ロゴマークの優位性です。
ワイズ「E」相当という細身の作りはシューズ内での足が遊ぶのを抑えてくれます。
それに加えて、アッパーとベロを一体化することで、
シューレース(ヒモ)だけに頼ることなく、シューズ全体で足を適度にホールドしてくれます。
また、三本線( /// )のアディダスのロゴマークは、
側面の補強という点で、非常に理にかなっています。
三本の直線(ベルト)で上下を繋ぐことでアッパーの強度が増し、安定します。
ナイキのようなロゴマークは、上下を繋げませんから、
補強の用のベルトやパーツを余計に縫製しなくてはならず、効率が悪いのです。
アディゼロジャパン4の
クッション性、安定性、反発性に優れているのは
ブーストという素材だけの働きではなく、
各種の補強パーツとの組み合わせによってもたらされているものだと分かりました。
ブースト素材、というよりはブースト機構ですね。
今回のインプレ記事も長くなって来たので
また次回に続きます。
次回は、グリップ性能や巡航性能などについて。
→【トライアスリート的】アディゼロジャパン4の性能を体験したよ【インプレ2 グリップ性能】
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今回は以上です!
はちゃの!